コラム:「仕事師」イエレン議長とアジェンダの重み=鈴木敏之氏
2014年 03月 24日 10:53 タオバオ代行
<シグナルは緩和継続>
対して、イエレン議長の最大のアジェンダは、完全雇用の達成である。そのために金融緩和を続けることになるが、前任が導入したQEの弊害にも対処しなければならない。
QEは危機からの脱却を目指す緊急時には致し方ない緩和手段だとしても、バブル膨張を助長しかねないなど弊害は軽視できない。ゼロ金利下のもうひとつの緩和手段であるフォワードガイダンスに早めに移行させ、できれば通常の金利で金融政策をとれる状態に戻すことが望ましい。
イエレン議長は最初のFOMCで、その仕事を大きく前進させた。FOMCが政策変更の閾値として設定していた失業率6.5%が到達間近となったが、雇用情勢は満足の得られる状態にほど遠い。そこで、FOMCは声明に雇用について特定の数字を書くことをやめ、議長会見での説明に置き換えた。
その会見の説明は、複数の雇用指標をあげ、それら全般の改善が要るという立場をとった。多くの雇用指標が、全般的に改善するというハードルは高い。つまり、緩和政策を今後も長く維持するというシグナルを発したのである。
10月のFOMCでQE終了が告げられるとみている市場は、終了後6カ月程度で利上げが始まる可能性を示唆した議長発言に反応し、混乱した。中央銀行が発したメッセージを市場が理解するまでには時間を要する。日銀のバズーカ緩和の直後も債券市場が大きく動いたことは記憶に新しい。やがて、多様な雇用指標全般が改善するまで緩和を続けるという意味が理解されてくるだろう。
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